スマートフォン（多機能型携帯電話）からの119番通報について

屋外から119番通報をするときに有効な手段として携帯電話があります。特にGPS対応携帯電話からの119番通報はGPS測位に基づく発信位置を通信事業者から取得するため、条件が整えば通報者の発信位置を把握することが可能です。

しかし、急速に普及が進んでいる多機能型携帯電話（以下「スマートフォン」）は、一部のスマートフォンが「緊急通報位置通知(注釈1)」に対応していないため、発信位置を把握することが困難となります。

また、「緊急通報位置通知」に対応しているGPS対応携帯電話から通報する場合でも、屋内からの通報や高層建物に囲まれているところからの通報、電波の受信状況等によっては実際の位置から大きく離れた位置情報が送信され、この場合も災害地点の特定は通報者からの聴取に頼るものとなります。

下の図は消防局前の同じ場所から119番通報した例ですが、指令台の地図上で示される位置は大きく異なっています。

基地局情報(注釈2)による位置情報送信（誤差半径3700メートルと表示されています）

GPS測位による位置情報送信（発信位置が矢印で示されています）

このことから、携帯電話やスマートフォンを利用されている方から119番通報を受信した際には、指令管制員の聞き取りによる位置の特定が大変重要となりますので、119番通報する場合は付近の住所や目標物(公共施設・店舗・大きな建物・交差点・橋・バス停など)を指令管制員にお伝えいただけますようご協力をお願いします。

（注釈1）緊急通報位置通知について

（注釈2）基地局情報：緊急通報を受信した基地局の住所や電波の到達範囲などから算出する位置情報