百日咳について

更新日:2025年04月23日

百日咳とは

百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作(痙咳発作(けいがいほっさ))を特徴とする急性の気道感染症です。

百日咳は世界的に見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、1歳以下の乳児(特に新生児や6ヵ月以下の乳児期早期)では重症になり、肺炎、脳症を合併し、生命にかかわることもあるので注意が必要です。

咳の症状が続くときは、医療機関を受診しましょう。

どのような症状が出るの?

経過は3期に分けられ、全経過で約2~3ヵ月で回復するとされています。

  1. カタル期(約2週間持続)・・・通常7~10日間程度の潜伏期を経て、かぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。
  2. 痙咳期(カタル期の後に約2~3週間持続)・・・次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。短い咳がコンコンと連続的に起こます。続いて、息を吸うときに笛の音のようなヒューという音が出ます。このような咳嗽発作が繰り返し、しばしば嘔吐を伴います。夜間の発作が多いですが、年齢が小さいほど症状は多様で、乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ(顔色や唇の色や爪の色が紫色に見えること)、けいれん、呼吸停止と進展することがあります。非発作時は無症状ですが、何らかの刺激が加わると発作が誘発されます。合併症としては肺炎や脳症などもあり、特に乳児では注意が必要です。
  3. 回復期・・・激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなります。成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳を示すことはなく、やがて回復に向かいます。全経過で約2~3ヵ月で回復します。

どのように感染するの?

鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染や、感染者と接触したりすることによる感染(接触感染)とされています。

治療方法

生後6ヵ月以上は、抗菌薬による治療が検討されます。

また、咳が激しい場合には咳止め等の対症療法が行われることがあります。

予防するためにできること

百日咳の予防には、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)等の接種が有効です(予防接種は生後2ヵ月~7歳6ヵ月未満)。

百日咳ワクチンを含む接種は、わが国を含めて世界各国で実施されており、その普及とともに各国で百日咳の発生数は激減しています。しかし。ワクチン接種を行っていない人や接種後年数が経過し、免疫が減衰した人での発病がわが国でも見られており、世界各国でいまだ多くの流行が発生しています。

  • 基本的な感染対策は咳エチケットになります。

咳エチケットについては、「感染症拡大防止のためにせきエチケットにご協力ください!!」をご確認ください。

感染症法における取り扱い

感染症法では、5類感染症(全数把握対象)に指定されています。

診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届出が必要です。

百日咳は、咽頭ぬぐい液を採取して、病原体分離・同定して診断します。

外部サイト

  • 百日咳(JIHS 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)
  • 百日咳(厚生労働省)

関連サイト

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