ノロウイルスによる感染症・食中毒を予防しましょう
更新日:2024年02月02日
感染性胃腸炎の患者発生は例年12月の中旬頃にピークとなる傾向があり、本年度も、全国的に患者の発生が増加傾向がみられており、特にノロウイルスによる集団発生例が多くみられています。
ノロウイルス食中毒においては、約8割が調理従事者を介した食品の汚染が原因とされています。
その一方で平成28年度に厚生労働省が実施した調査によると、ノロウイルスが発生した施設のうち調理従事者の健康確認状況をきちんと記録している施設は3割以下という結果が得られています。
ノロウイルスによる食中毒の予防及び調査の結果について(PDF:560.2KB)
ノロウイルスとは?
◎ノロウイルスは小さいウイルスですが、たった10~100個程度の摂取で発症してしまう、感染力の強いウイルスです。
◎主な原因食品は、ノロウイルスに感染している人の便や吐しゃ物が付着した手指等を介して汚染された食品、二枚貝(カキ)などです。
◎症状が出ていなくても、ノロウイルスに感染している「不顕性感染」が問題になっています。この不顕性感染とは、細菌やウイルスなどの病原体に感染しても、おう吐や下痢などの症状が出ないことをいいます。症状が出ない不顕性感染の場合でもウイルスの排出はありますので、定期的な検便(細菌検査)や正しい手洗いに努めてください。
ノロウイルスによる感染症・食中毒を予防しよう(リーフレット)はこちら
(PDF:3.1MB)
おもな症状
◎ウイルスが体内に取り込まれてから、24時間から48時間で発症します。
◎主な症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。
◎通常これらの症状が1~2日続いた後治癒し、後遺症もありません。
◎症状がなくなっても、1週間~1か月程度便の中にウイルスの排泄が続くことがあります。
おもな感染経路
1.患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
2.家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところで、ヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染した場合
3.食品取扱者が感染しており、その者を介して汚染された食品を食べた場合
4.汚染されていた二枚貝を生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
5.ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
ノロウイルス感染予防のポイント
1.手洗い
手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。
調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やおむつ交換等を行った後には必ず洗いましょう。
2.調理に従事する人の健康管理
食品取扱者は日ごろから自分自身の健康状態を把握しましょう。
下痢やおう吐、風邪のような症状がある場合には、食品を直接取り扱う作業に従事しないようにしましょう。
3.調理器具・トイレ等の洗浄、消毒
調理器具等は洗剤などで十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
またまな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は亜塩素酸水による浸漬や、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
4.食品の加熱は中心部分まで十分に行うこと
ノロウイルスの感染のおそれのある二枚貝などの食品は、中心部が85~90℃以上で90秒以上の加熱が望まれます。
5.おう吐物の適切な処理
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのエプロンやマスク、手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように静かに拭き取ります。
また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に舞うため、乾燥しないうちに速やかに処理し、処理した後は十分に換気を行いましょう。
小学校で行われた餅つき大会で食中毒が発生2018年12月1日、東京都の小学校で餅つき大会が行われ、そこで餅を食べた児童・保護者から体調不良(下痢やおう吐など)の訴えがありました。
保健所が調査したところ、餅つき大会は校庭(屋外)で行われ、同月1日から3日にかけて児童67名・保護者4名に腹痛や下痢などの食中毒症状があり、 この患者の検便を実施したところ、複数名からノロウイルスが検出され、集団食中毒と断定されました。 |
このように楽しいはずの行事も、ひとたび食中毒事件が起きてしまえばすべて台無しです。多くの人が感染する恐れがありますので、注意と対策をしましょう。
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